デジカメの選び方:一眼レフカメラ編(2007年6月版)Part2

オイラがオススメの、子供を撮るのに適したデジタル一眼レフカメラ入門機の第二弾。

PENTAXペンタックスK100D

正直、このクラスのカメラではバランスの取れたカメラであり、メーカー名にこだわらない人であればよくできた入門機である。

K100Dの○なところ

1.操作性に優れている。
何度もいうけど操作性は慣れの問題ではあるが、K100Dはその中でも抜群に使いやすく、初心者でもわかりやすい。
このクラスで唯一、背面の液晶画面以外にカメラ上部の表示パネルがある。他メーカーの機種はコストやデザイン的に、全て背面の液晶画面に撮った画像とシャッター速度などを表示する機能が一体になっているのだが、K100Dではそれがしっかり分けられている。使ってみると、画面の切り替えの手間など格段の違いがある。
ボタンやダイアルの感触も良好でしっかりとしたクリック感があり使いやすい。
細かいところでは、背面のボタン操作の時にしっかりカメラを持ってるために、“ウイング”という指がかけやすい突起部分があり操作しやすい気配りが施されている。
2.11点のフォーカスエリアと見やすいファインダー
このクラス最多の11点のフォーカスエリア(ピントを合わせる場所)で、画面のかなりの範囲をカバーしてくれるため、動きまわる子供を撮るのに最適。フォーカスエリアの選択はオートはもちろんだが、任意で設定も可能でその操作性も優れている。
ファインダーはニコンD40x同様、高倍率で見やすく、しかも明るくクリアに見える。ファインダー内の表示も見やすい。
3.手ブレ補正機能内蔵。
ソニーα100と同様に、カメラ本体内に手ブレ補正機能が付いている。どんなレンズでもスローシャッターに強く、手ブレしにくい。
4.メディア(記録媒体)がSDカード。
ニコンD40x同様、コンパクトデジカメでSDカードを使っていた人にとっては、メディアの買い替えをしなくて済む。
5.マルチ電源。
充電式バッテリーではなく、CR-V3リチウム電池を2本使用するのだが、万が一のバッテリー切れでも比較的入手しやすい単3形電池4本でも作動する。
6.安価な価格。
このクラスで一番、実勢価格が安い。ボディのみで7万円半ばの価格。

K100Dの×なところ

1.連続撮影に弱い。
JPEGの高画質モードで連続で5コマまでの連続撮影しかできない。子供の運動会などで、連写をしたくても5コマ撮ったらデータの書き込みが終わるまでシャッターが切れないのは一番痛い。
2.AFの作動音が大きい。
ソニーα100同様、レンズ内モーターという機能が無いため、AF時に「ウィン、ウィ〜ン」という音がする。子供の発表会など、周りが静かな状況では少々気を使う。
3.このカメラも発売から来月で1年になるため、技術面での古さが感じられる。

K100Dの補足説明

初心者向けのカメラ作りの上手いペンタックスだけに、欠点の少ない良いカメラ。
610万画素と他社製品と比較すると、目おとりするが普通に使うことを考えれば、かえって扱いやすい画素数だと個人的は思う。高画素にこだわるのであれば、少し価格は高くなるがK10Dを選択してもいいだろう。
ただし、ペンタックスというメーカーがあまりメジャーではないので存在感が希薄。

OLYMPUSオリンパスE-410

コンパクトな一眼レフカメラ作りの上手いオリンパスの入門機。
このオリンパスデジタル一眼レフカメラの最大の特徴は、センサー(撮像素子)が“フォーサーズ”という規格の大きさ。他社のデジタル一眼レフカメラの規格より少し小さいサイズのセンサーを使っている。ちなみに、この規格はオリンパスパナソニックLUMIX L1とライカのDIGILUX 3が使っている。

E-410の○なところ

1.とにかく小さく軽い。
クラス最小、最軽量。フォーサーズカメラの最大の特徴を活かし小ささにこだわった一台。
2.連続撮影に強い。
ソニーα100同様で、メディアの容量いっぱいまでの連続撮影が出来る。やはり運動会などでシャッターチャンスを逃しにくい。
3.背面の液晶画面を見ながら撮影できるライブビュー機能。
デジタル一眼レフカメラはファインダーを覗いて撮影するのだが、このカメラはコンパクトデジカメのように背面の液晶画面を見ながらの撮影も出来る。
そのため、記者会見場のようになる子供の運動会やお遊戯会などで、後ろの方からでもカメラを持ち上げ、背面の液晶画面で確認しながらの撮影も可能である。
4.クラストップのホコリ除去性能。
オリンパスはかなり早い時期からホコリ除去装置を搭載してきた、いわばホコリ除去のパイオニアである。そのため他社のホコリ除去機能に比べその性能も高く、効果もある。

E-410の×なところ

1.交換レンズの種類が少ない。
フォーサーズの規格に対応したレンズはまだまだ少ないため選択肢があまりない。特にレンズ専門メーカーはシグマしかフォーサーズ対応のレンズは作っていない。
さらに、フォーサーズは一般的なデジタル一眼レフカメラより広角が弱く、いわゆる28mm相当の広角レンズはオリンパス純正のレンズしかない。(一部、パナソニックから発売されているLEICA Dレンズがあるが高価なため初心者向きではない)
2.フォーカスエリアが少ない。
ニコンD40xと同じ3点のフォーカスエリア。子供の動くシーンには少々不安がある。
3.手ブレ補正機能が無い。
カメラ本体はもちろん、レンズにも手ブレ補正機能が無い。カメラが軽量なため、望遠レンズでの撮影ではしっかり構え、なるべくシャッター速度は早くしないと手ブレしやすい。室内撮影での望遠レンズの撮影はストロボを使うか、三脚の使用が必要になるだろう。

E-410の補足説明

とにかく小さく軽いボディなため、持ち運びは苦労しないだろうが、手の大きな人にとっては小さすぎるかもしれない。どちらかと言えば女性向きなカメラ。

まとめ

一般的になってきたデジタル一眼レフカメラ。コンパクトデジカメに比べ綺麗な写真が撮れるのは確かだが、ホコリの問題をあまり気にしていない(知らない)ケースが多い。この問題はレンズ交換時だけでなく、本体内のホコリ発生や、レンズのズーム時にホコリを吸い込んだりと、どうしても避けられないもの。目立つ大きなホコリが付着した場合はメーカーのサービスセンターへ持ち込むか、購入した店でメーカーへ送ってもらうなどして、絶対に自分で掃除しようなんて考えないこと!センサーに傷が付けばホコリ以上にタチが悪く、部品交換だけで数万円もかかってしまう。
どのメーカーのどの機種を買うかは自由だが、10万円前後の買物であるから買った以上はどんどん使うことをオススメする。入門機は使いやすい設計ではあるが、やはりコンパクトカメラに比べれば専門的な部分もあり、たまに使うだけだと肝心な時に操作に手間取って、せっかくのシャッターチャンスを撮り損ねてしまう。
それから以外と大事な物としてメディア(記録媒体)である。最近は高画素化が進み、データ量が増えているため、デジタル一眼レフカメラだと1GBは最低必要だろう。そして、あまり安物を買わないこと。
最近の1GBのメディアだと4,000円〜5,000円くらいの製品を購入した方がいい。安いものはデータが書き込みや取り出しができなくなったり、データが壊れる心配がある。
デジタル一眼レフのモデルサイクルはコンパクトデジカメほどではないが、1年半から2年ほどで新型が出てくる。そのため、どのタイミングで買うかが難しいが、せっかくなら、なるべく新しい製品を購入した方がいいと思う。昔はフィルムの性能で写真の写りが違ったが、デジタルカメラはそのフィルムに相当するセンサー(撮像素子)と、映像エンジンと呼ばれるデジカメの頭脳の部分が写りを左右する。そのため、最新技術のものの方が綺麗な写真を撮れるケースが高いのである。
今回、あえて順位を付けなかったが、紹介したカメラの順番がそれだと思ってもらっていいだろう。