デジカメの選び方:一眼レフカメラ編(2007年6月版)Part1

今日は子供の撮影に適したオイラがオススメのデジタル一眼レフカメラ。対象はあくまで初心者だから、入門機に限定して紹介していく。

NikonニコンD40x

デジタル一眼の入門機として一押しの機種。キャノンのEOS Kiss DigitalXとペンタックスK100Dのどちらが良いか迷ったのだが、カメラ初心者を対象と考えるとニコンD40xの方が操作がわかりやすく、液晶画面の表示、ボタン、ダイアル表示がシンプルで見やすい。

D40xの○なところ

1.操作性が優れていて、わかりやすい設計。
画面表示の文字も大きく、初心者でも理解しやすい文字内容。初心者の場合、表示される言葉の意味がわからないということが多いから、ニコンの表示は専門用語が少ないため理解しやすい。
2.ファインダーが見やすい。
一眼レフカメラで重要なのが、ファインダーの見やすさ。難しい説明は抜きにして、各メーカーから発売されているデジタル一眼レフ入門機でニコンのファインダーが一番見やすい。
3.連続撮影に強い。
一眼レフカメラで子供を撮るときに連続撮影が多くなる。そんな時、データの書き込みでシャッターが切れずチャンスを逃すようなことがあっては、せっかく高いカメラを買っても意味が無い。D40xは1秒間に3コマの撮影が可能で、100コマまで連続撮影ができる。(メディアの種類や撮影モードによるが)
4.メディア(記録媒体)がSDカード。
この点について賛否両論あるだろう。デジタル一眼レフカメラのメディアの主流は今のところCF(コンパクトフラッシュ)カードであるが、初めてデジタル一眼を使う人の中にはコンパクトデジカメから移行してくるケースもあるだろう。そういった人のほとんどはコンパクトデジカメの主流メディアであるSDカードを使っていた人が多いと考えられ、今まで持っていたSDカードをそのまま使用することができるのである。そういう点から考えるとSDカードならコンパクトデジカメにもD40xにも両方使えて便利なのである。
5.ダブルズームキット(標準レンズと望遠レンズのセット)の望遠レンズに手ブレ補正機能が付いている。
望遠レンズを使う場合手ブレが起きやすい。それを軽減する手ブレ補正(VR)機能がレンズに内臓されている。

D40xの×なところ

1.フォーカスエリア(ピントを合わせる場所)が少ない。
他社と比較してD40xはフォーカスエリアが3点と少ない。初心者でフォーカスエリアを任意で選択してピント合わせをすることは、あまり無いだろうから、フォーカスエリアの多い少ないはあまり関係なく、むしろピント合わせの精度の方が重要だと考えるが、さすがに3点は少なく感じる。
2.AF機能を使えるレンズが限定されている。
ニコンのAF交換レンズは比較的種類が豊富であるが、D40xの場合はその中でAF機能を使えるレンズは限定されている。ちょっと専門的だが、“AF-S”と“AF-I”というタイプのレンズしかAF機能に対応していないのである。なぜかを説明すると長くなるから省くが、ニコン純正の“AF-S”と“AF-I”だけしか使えないから、レンズ専用メーカー(純正レンズより安価)のレンズではAF機能が使えないのである。
初心者の場合何本も交換レンズをそろえることは無いだろうが選択の幅が狭いのはマイナス。
3.ホコリ除去機能が無い。
ニコンだけはセンサー(撮像素子)部分のホコリ除去機能が無いのである。
デジタル一眼レフカメラで最大の問題点が“ホコリ”である。センサーにホコリが付着してしまうと、何枚撮っても同じ場所にホコリの影が写ってしまう。写ってしまったホコリの影はPCで修正などしなければならず、その作業は初心者にとっては面倒なもの。
センサーのホコリ付着の原因はいくつかあるが、レンズの交換が一番影響が大きい。だからといってレンズ交換しないというのは一眼レフカメラの最大の特徴を活かせないことになる。
そういう面でホコリ除去機能というのはありがたい機能なのだが、この機能が付いていないのはちょっと痛い。

D40xの補足説明

ニコンのカメラを使ってきた期間が長いから、個人的には好きなメーカーである。D40xは今年の3月に発売になったばかりのカメラで、ベースになったD40が1020万画素になった感じ。(他にも改良された部分もあるが)
コンパクトデジカメ同様、高画素になればなるほど、データも大きくなりPCのスペックもそれなりに無いとデータの扱いが大変になるため、初心者向けのデジタル一眼の高画素競争も個人的には無意味に思えるのだが、技術力のアピールには“画素数”がわかり易い基準になってしまっているから仕方ない。しかし、そういう点では610万画素のD40も安価でオススメのカメラである。しかし、画素数以外にも改良されているD40xの方が画像は綺麗だろうから、子供の写真を綺麗に残すことを考えれば新機種の方がいいのだろう。
ここ最近のニコンデジタル一眼レフ市場へ積極的に商品を送り出している。特に初級機から中級機の商品構成は幅広くD40D40xD80D200とラインナップが豊富で、現時点ではデジタル一眼レフ市場のシェアはトップである。そうした点でもニコンを使う安心感は高いだろう。

Canon(キャノン) EOS Kiss DijitalX

デジタル一眼レフ市場をニコンと二分するキャノンの入門機。知名度からすればCanonの“EOS”の方が高いだろう。しかし、ここ最近のニコンの商品構成は勢いがありキャノンはやや押され気味。
そうした中で、キャノンのEOS Kissシリーズは改良を重ねEOS Kiss DijitalXは3代目になる。その点では、このカメラの信頼性は高いものがある。

EOS Kiss DijitalXの○なところ

1.豊富なレンズの種類。
初心者で何本もレンズを持つ必要は無いだろうが、キャノン純正のレンズはもちろん。レンズ専門メーカーのレンズも選ぶことができ、予算もかなり幅が持てる。
カメラ本体との相性を考えると純正レンズの方がいいのだが、デジタル一眼レフの入門の際、二の足を踏むのが予算である。
昔(5-6年前)から比べれば、格段に値段は下がってきているが、子供の写真を撮るのに望遠レンズは欲しいところ。いくら安くなったといってもカメラ本体とレンズのセットで10万円以上する。レンズによって金額もまちまちだから予算にあわせてチョイスできるEOS Kiss DijitalXは魅力的だ。
2.9点のフォーカスエリア。
動き回る子供を捉えるのに有効な広範囲に配置されたフォーカスエリアは、子供撮影において効果的な機能。
3.綺麗な映像を記録するCMOSセンサーと、ホコリ除去機能
キャノンは昔から撮像素子(フィルムに相当する部分)にCOMSセンサーを使っている。
撮像素子にはもう一つCCDセンサーがあり、どちらが綺麗かは一概に言えないのだが、CMOSの方が一般的に高感度時のノイズは発生しにくい特性がある。
特に注目すべきはキャノン初のホコリ除去機能だ。
デジタル一眼レフカメラで最大の問題点が“ホコリ”である。センサー(撮像素子)にホコリが付着してしまうと、何枚撮っても同じ場所にホコリの影が写ってしまうため、せっかくの写真が台無しになり、PCで修正などしなければならず、その作業は初心者にとっては面倒なもの。
センサーのホコリ付着の原因はいくつかあるが、レンズの交換が一番影響が大きい。だからといってレンズ交換しないというのは一眼レフカメラの最大の特徴を活かせないことになる。
センサーに付いたホコリは簡単には取れず、安易に掃除しようとすると余計にホコリが付着したり、センサーに傷を付けかねない。
その問題を解決するのがこの機能である。ホコリの除去は100%ではないがいくらかは効果がある。

EOS Kiss DijitalXの×なところ

1.ファインダーが見にくい。
見にくいと書くと少々語弊があるのだが、ファインダーの倍率が低いため周辺の黒い部分が多く、筒の中を覗いているような感じ。
実際に他の機種と比べてもらうのが手っ取り早いのだが、とにかく見えている部分が小さい。
2.連続撮影枚数が少ない。
子供のめまぐるしく変わる状況を連続で撮る時に、データの書き込みでシャッターが切れなくなる可能性が高い。記録画質によっても異なるが、JPEGの高画質で27枚である。この数字が多いか少ないかは個人差があるだろうが、フィルムと違い枚数を気にせず撮れるデジタルカメラは以外とシャッターを切ることが多く。余裕があるのに越したことは無い。

EOS Kiss DijitalXの補足説明

欠点の少ないカメラではあるが、完成度としては今ひとつといった感じ。しかし、初心者が使うことを考えれば十分満足できるカメラだろう。

SONYソニーα100

かつてのコニカミノルタからカメラ部門を買収し、ソニーとしての初のデジタル一眼レフカメラである。

α100の○なところ

1.手ブレ補正機能がカメラ本体に内蔵。
デジタル一眼レフカメラで初めて手ブレ補正機能を本体に取り入れた。それによりどんなレンズを装着しても手ブレ補正をしてくれる。
2.ホコリ除去機能。
キャノンのEOS Kiss DijitalX同様、センサーにホコリ除去機能がある。
さらに、親切なことに“手ブレインジケーター”という、手ブレを起こしやすい度合いを5段階でファインダー内に表示してくれるため、ついつい撮ることに気を取られるあまり、カメラの構え方がおろそかになりがちな初心者にとっては、いくら手ブレ機能があるとはいっても限界があるから、気をつける意味でもありがたい機能。
3.アイスタートAFシステム。
ミノルタ時代からの技術である同システムはファインダーを覗いただけでAF機能が作動する。他社のAF一眼レフカメラはシャッターボタンを半押しすることでAFが作動する。どちらが便利かは慣れの問題でもあるが、初心者でシャッター半押しが上手くできない人が意外と多いからポイントが高い機能だと思う。
4.優れた連続撮影性能。
ニコンD40xの連続撮影性能以上に、メモリーカードの容量いっぱいまでの連続撮影が可能。やはりシャッターチャンスを逃しにくい。(さすがはソニーのデータ処理技術)
5.純正レンズにカールツァイツを採用。
解像力に定評のあるドイツのレンズメーカー「カールツァイツ」を一部のレンズに採用。子供を綺麗に撮るという点ではこだわりのポイント。

α100の×なところ

1.来月7月で発売から1年を迎えるが、ニコン・キャノンに比べ若干古さを感じる。デジタル技術は進歩が早く1年でかなり進歩してしまうのである。
2.男性(お父さん)にはちょうど持ちやすい大きさ。逆に言えば女性(お母さん)には大きいかも?他社と比べるとボディサイズが大きい。
3.AFの作動音が大きい。
レンズ内モーターという機能が無いため、AF時に「ウィ〜ン、ウィ〜ン」という音がする。子供の発表会など、周りが静かな状況では少々気を使う。

α100の補足説明

コニカミノルタという、かつてのカメラメーカーの技術が色濃く反映されているため。カメラとしての安心感は高い。
 
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