写真と平和

銀座のフジフォトサロンへ「写ルンですで撮った平和」という写真展を見に行ってきた。
富士市在住のフォトジャーナリスト庄司博彦さんが、9.11アメリ同時多発テロの事件後にNYへ取材で訪れ、「写真の技術や知識だけを教えるのではなく、平和を撮るという目的をもってカメラと向かい合い、人を思いやる心や自然を見つめ直す大切さについて考える時間を提供し、こんな悲劇を二度と起こさないように、世界の子供達と語り合ってみたい」という想いから世界各国の学校や施設を訪問し、平和をテーマに写真教室を開催する非営利団体「ワールドチルドレン フォトプロジェクト」を2001年に設立。以来、世界中の学校や施設を訪れ写真教室を開き、『写ルンです』を使い子供達に平和とは何かを訴える活動をしてきた。今回はこれまでプロジェクトを実施した8ヵ国の子供達が撮った“平和”をテーマにした写真展。
で、その子供達のストレートな目線で撮った平和の写真への想いや、イメージは国によって様々で訴えかけてくるものがもの凄く強かった。
例えば、モンゴルの孤児施設のある子供の写真は、「家族と一緒に住むことが平和だけど今はできない… 先生がお母さんのようにみんなと遊んでるのが平和」と言って、その様子を撮った写真。
インドネシアの孤児院のある子供は、「ご飯がたべられるのが平和」だと言って、友達が食事をしている様子を撮った写真。
カンボジアの小学校のある子供は、「戦争の兵器がなくなるのが平和」といって、不発弾処理の瞬間を撮った写真だったり、ゴミの山で以前生活していたという子供は「ゴミの山での生活から、早く普通の生活の暮らしをさせてあげたい」と、ゴミの山で暮らしているいとこを撮った写真。
パキスタンのある子供は、「お年寄りが元気なのが平和」と言って、お年寄りが集まっている様子を撮った写真。
イスラエルのある子供は、「無差別テロの起きない家の中が平和」と言って、シャッターの閉じた部屋の中で読書をしている家族を撮った写真。
などなど、他にもいろいろな国の子供達が思う平和についての写真がたくさん飾られていた。
カメラも『写ルンです』といういたってシンプルな道具を使うことで、難しい写真の技術なんかは説明しないで、ただ感じたままにシャッターを押す。といったことで、よりストレートな写真が撮れているのだと思った。庄司さんに話を伺うと、写真を撮るうえで教えたことは3つだけで、カメラの使い方については1つだけ。「必ずフラッシュを使って撮ること」これによって逆光も関係なくなるし、フラッシュの光が目に写りいきいきとした写真になる。残りの2つは写真の技術的なこととは別のこと。しかし、それだけでこれだけの写真が撮れるって事に驚かされた。
そもそも庄司さんとの出会いは、この前やったオイラの写真展に「富士宮でNYの写真展なんて?どんな写真展なんだろう?」と思って見に来てくれたのがキッカケ。オイラとしても富士市出身の人でこんな活動をしている人がいるなんて、それまで知らなかったからビックリした。
これからの庄司さんの活躍に期待したい。(この写真展についの詳細はこちら→http://nippouren.jp/exhibition/index.html)